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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

枠組足場VSくさび足場

更新日:2021年10月20日



 先日、他のコンサルタントが作成した大規模修繕工事の数量明細を見せていただく機会がありました。その中で、仮設工事の足場の項目に枠組み足場W=900という記述がありました。相談にきた人には、「新築工事ではなく改修工事なので、W=600のくさび足場で問題ないと思います。」というアドバイスをさせていただきました。


 新築工事では枠組足場が標準的に使用されますが、改修工事ではほとんどがくさび足場です。枠組み足場とくさび足場の大きな違いは、積載荷重です。枠組み足場であれば1スパン400kgまでの荷重に持ちますが、くさび足場は150kgまでの荷重にしか持ちません。新築工事では足場の上に、鉄骨や石材等、重量物を載せるために枠組み足場が必要ですが、改修工事では、塗料やシーリング材・張替え用のタイル等のみですので、150kgでも別段問題ありません。


 くさび足場はハンマー1本で簡単に組み立てが出来ることが特徴で、国内で初めて発売されたくさび緊結式足場の商品名から「ビケ足場」とも呼ばれています。 以前は木造家屋などの低層住宅工事用の足場として多く使用されてきましたが、近年では中層建築工事用、もしくは高層建築物の外壁の塗り替えなど、短期間の補修工事に使用されることも増えてきています。設置高さも45mまで可能で、枠組み足場と遜色ありません。

 大規模修繕工事に占める足場の費用は全体金額の20%~30%程度を占めており、ばかになりません。枠組み足場とくさび足場を比べると価格的にも3割程度はくさび足場の方が安価になります。くさび足場はひとつひとつの部材が小さいことから、運搬費用も安くなりますし、材料の組立にレッカー等大型の重機も必要ありません。


 私の常識では、大規模修繕工事はくさび足場が標準だと思っていたのですが、いまだに枠組足場で提案している大規模修繕コンサルタントがいたことが衝撃的でした。


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