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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

理事会とは

更新日:2022年8月6日



 今回は理事会のお話です。

 管理組合では区分所有者の中から数人の理事を選任し、年に数回の理事会を開催して、日ごろの管理業務を行います。組合員全員が参加する総会は通常、年1回しか開かれないため、日々の問題には理事会が対応します。

理事の選任方法

 理事の選任方法としては、輪番制が一般的です。組合員全員にマンション管理の重要性を認識してもらうためには、輪番制は有効な方法です。輪番制の問題点としては、遠隔地居住者等で、理事が出来ない人をどうするか等の問題も発生しています。

 また、新しい標準管理規約では、区分所有者でなくても、外部の専門家も理事役員に就任できるようになりました。高齢化等で理事のなり手のいないマンションでは、理事会運営そのものを、マンション管理士等に委託することができます。また、一般のマンションでも、マンション管理士等を組合顧問として雇い、理事会に出席してもらいアドバイスを得ている理事会も増えてきています。

 その他、理事の選任方法には立候補等もありますが、自分のビジネスに有利になるために理事長に立候補するケースも多く、弊害もあります。また何期も同じ人が理事長を行う場合も、ワンマン理事長の独断が多くなりマンションの私物化が懸念される傾向にあります。

理事会役員

 理事の役員としては、理事長・副理事長・会計担当理事・その他理事、および監事が一般的です。理事長・副理事長・会計担当理事・その他理事は、選ばれた理事の中から互選で選ばれます。ただし、監事のみは、別に総会にて選任されます。監事には、理事会での議決権はありませんので注意が必要です。監事は理事会が適正に運営されていることを監視することが主な役割です。理事長に匹敵するような強い権限を持っています。したがって、理事とは別に、総会で直接選任することになります。

 また理事会役員には、手当を支給することも出来ます。日ごろの仕事以外に理事会業務を行うのですから、これからの理事はボランティアでなく、少額でもいいので手当を支給するべきだと思います。私の住んでいるマンションでは、理事会に1回出席すると、スーパーの商品券1000円を支給しています。

 各理事の役割は以下の通りです。


理事長の役割

・管理組合を代表し、その業務の統括をする。

・区分所有法に定める「管理者」

・通常総会において、前会計年度の管理組合の業務執行状況の報告


副理事長の役割

・理事長を補佐し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う。


会計担当理事

・管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う。


理事の役割

・理事会の定めるところに従い、管理組合の業務を担当する。

・管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を監事に報告しなければならない。(理事会でなく、監事に報告することに注意が必要です。)


監事の業務

・管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

・管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。

・理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。

・理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれのあると認めるときは、理事会に報告しなければならない。

・理事長が理事会を開催しない場合には、監事は、理事会を招集することが出来る。

理事会の開催頻度

 理事会の開催頻度としては1~2か月に1回が平均です。新しい標準管理規約には、「理事長は〇か月に1回以上、職務の執行状況を理事会に報告しなければならない。」との文言が入っています。少なくともその範囲内には理事会を開催する必要があります。

理事会の成立要件

 理事会は理事の半数以上の出席が必要です。標準管理規約では、理事本人でなければ、たとえ夫婦でも代理出席は認められていません。標準管理規約のままでは、理事会が不成立になるケースも多く、その対策として、規約に「理事に事故があった場合、親族に代理出席を認める」という条文を追加することをお勧めします。また、当日の出欠確認を事前に行うことも有効です。

理事会での協議内容

 理事会は理事長によって招集され、管理費等の滞納状況、入居者から寄せられた日々の苦情、建物の維持管理修繕状況、管理会社からの提案項目の審議等が行われます。それぞれについて協議を行い、対応方針を決定します。

 当初予算を超えるような費用のかかる項目については、次回総会までに案を作成し、総会決議を取る準備を行います。そのために、理事会の諮問機関として、専門家委員会を設置することも出来ます。

 また、理事会の活動をガラス張りにするためにも、理事会議事録は全戸配布することをお勧めします。日ごろの理事会活動が良く解れば、入居者の不満も少なくなります。

まとめ

 輪番制の理事会の場合、とにかく何事もなく1年が過ごせれば良いという方が大部分です。しかし、マンションには解決すべき課題も多くあります。自分のマンションを良くするためにも、理事就任はチャンスだと思って、積極的に理事会活動に取り組んでください。

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