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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

直結増圧で管理費不足?

更新日:2022年3月16日



 先日高松でもマンションの給水方式を受水槽設置の加圧ポンプ方式から、直結増圧方式に給水方法を変更したマンションを見学する機会がありました。そのマンションは、ポンプ室が別棟であったのですが、杭を施工しておらず、不同沈下をおこしポンプ室が傾いてきたため、やむを得ず直結増圧方式に変更したとのことでした。

 直結増圧方式は、①貯水タンク(受水槽・高置水槽)がないため点検・清掃・補修などの維持管理費が不要②受水槽が必要ないため受水槽を置いていたスペースを有効活用することができる③水道管を通って浄水場から届いた水をそのまますぐに利用できる等のメリットばかりアピールされますが、デメリットもあります。よくあるデメリットとしては、災害時の緊急対策として受水槽の水が活用できない。ということがありますが、そのマンションの会計報告を見て、もう一つの検討項目が見えてきました。

 それは管理費の減収問題です。受水槽方式では水道局のメーターはマンションで1個だけです。各戸の検針は管理員さんが行い、各戸の水道メーター(子メーター)の水量に伴い、各市の水道局の使用料金に準じた形(基本料金+使用量)で支払いが行われます。ところが、水道局には、1個の水道メーター(親メーター)の基本料金しか支払っておらず、各戸から徴収した水道料金の基本料金は雑収入として管理組合の収入に繰り入れられるのが一般的です。このマンションでは年間60万円程度が雑収入として計上されていました。

 ところが直結増圧方式に変更すると、各住戸の水道メーターまでが水道局の管理となり、各戸の水道基本料金は、水道局が受領することになります。入居者の支払い金額は従来とは変わりませんが、管理組合の収入が減ることになります。受水槽の維持管理費(清掃費・点検費・水質検査費用等)や各戸水道メーターの交換費用は不要になりますが、それでもトータルで考えると結構な減収になります。


 水道の給水方法の変更を検討中の管理組合は、このあたりも事前に検討する必要があります。


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