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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

直接仮設とは

更新日:2022年6月6日



 今回は前回に引き続き、仮設工事のお話です。仮設工事には共通仮設と直接仮設があります。

直接仮設とは簡単に言うと、工事で使用する仮設足場工事になります。具体的には、組立・解体費用、足場の設置期間のリース費用、運搬・レッカー代等が含まれます。足場外部の養生シートや、仮囲い費用等も含まれます。

 大規模修繕工事に占める直接仮設費用は高額となりがちですが、工事を安全に進めるためには、必要な費用です。施工業者選定の折には、仮設計画の良しあしも重要な選定ポイントになります。

仮設足場の種類

 大規模修繕工事で使用される仮設足場には、大きく分けて、枠組足場・クサビ式足場・ゴンドラの3種類があります。それぞれの足場の特徴およびメリット・デメリットは以下の通りです。

枠組み足場

 ビル等の新築工事で主に使われる足場です。強度もあり1スパンあたり250kg~400kgまでの積載能力もあり、重いタイル等も足場の上に置くことができます。組立・解体も簡単に出来るメリットがあります。また剛性が高いことから、地上で地組してレッカーで吊り上げる大組や大ばらし等も可能です。デメリットは、設置費用が高いこと。部材が大型のため、運搬や狭い場所の組立には適していません。

クサビ式足場

 大規模修繕工事や戸建て住宅の新築工事で主に使用されている足場です。一番のメリットは設置費用が安いこと。一つ一つの部材が小さいため、運搬や狭い場所での組み立てにも適しています。デメリットは、組み立てる際の騒音です。部材をハンマーで叩いて組み立てるため、カンカンという大きな音が発生します。最近は、安全性を考慮した先行手すり工法や、一層当たりの高さの高い次世代足場が一般化してきています。

ゴンドラ

 一階が店舗の場合等の事務所ビル等で多く使用されている足場です。マンションでは高さが45m以上の高層マンションや、バルコニー側が暗くなるのをいやがる場合に採用される場合があります。上から吊る形式のため、着床ステージを2階の床面に設定すれば、1階の店舗等は工事中も営業出来ます。また駐車場等も移動の必要がなくなります。デメリットは、風に弱く強風時には施工できないことと、施工性が悪いため、工事期間が長くなることです。コストについては、建物形状によって変わってきます。横並び住戸がすくなく階高の高いマンションでは、普通の足場よりも安価になるケースもあるようです。

 大規模修繕工事の場合は、クサビ式足場が一般的ですが、マンション1階足元が駐車場や通路になっている場合に、ゴンドラを併用するケースもあります。またリフトクライマーという大型の可動式足場による施工を売りにしている施工会社もあります。

足場用飛散防止ネット

 工事中の塗料・埃等が外部に飛散しないように、足場の外部に養生シートを設置します。施工中は、このシートで覆われるために、入居者はストレスが溜まります。最近は、少しでも圧迫感がないようにと、黒色のメッシュシートを採用する施工業者が増えてきています。部屋内から外部を見たときに一番外が良く見えるのが、黒メッシュシートです。見積もり条件に、黒メッシュの採用を記載しておいたほうがいいでしょう。

その他

 足場設置中は、夜間に足場を利用しての盗難の危険性もあります。防犯のために、1階廻りのみ金網を設置したり、出入り口の施錠、防犯カメラ、センサーライトを設置したりと様々な対策があります。施工会社へのヒアリング時に防犯対策についても確認してみましょう。

 工事中の、第三者災害対策として、朝顔(足場から斜めに張り出した落下防止棚)の設置や、ガードマンの配置状況等、安全対策にはコストがかかります。無理なコストダウンで重大事故の発生につながらないよう発注者として注意しましょう。

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