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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンション管理組合は恐ろしいほど「情報不足」、改革の最善策は?

更新日:2023年6月30日



 2022年12月2日のダイアモンドオンラインの表題の記事を紹介します。


マンションの共用部分については、全区分所有者が共同で維持・管理する義務がある。そのために組織されるのが管理組合だ。つまり、マンションの数だけ管理組合は存在する。しかし、近隣のマンションの管理組合同士が交流しているという話を聞くことはめったにない。そこで今回は、管理組合同士が交流するメリットとその具体的な交流方法について見ていきたい。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)


まったくといっていいほど交流のない管理組合同士

 郊外に行くと、同じ形をした団地型マンション(いわゆる団地)を見かける機会が多い。規模の大きな団地になると、何十棟も建物が立ち並ぶが、そうしたところでは団地内に複数の管理組合が存在していることがある。棟が違えば、竣工年、建物の階数や構造、付帯する設備が異なる場合があり、それによって管理の方法や修繕の時期、内容に差が出てくるため管理組合を分けるほうが、都合がいいからだ。

 同様に、大規模マンションや店舗・事務所などが含まれる複合用途型マンションなどの場合も、マンション内に複数の管理組合が組織されていることが少なくない。

 ところが、同じ団地やマンション内であるにもかかわらず、互いの棟や管理組合の情報が共有されていないことが珍しくない。たとえば、隣の棟の管理組合の理事長が誰で、何人の理事で構成されているのか、管理はどこの管理会社に委託しているのか、管理委託費はいくらなのか、大規模修繕工事はいつ頃を予定しているのか、防災訓練や災害時の備蓄などの対策をしているのか、そうしたことを互いに知っているという管理組合は皆無と言っても過言ではないのだ。

 以前、新築時には一つの管理組合で運営するように考えられていた中規模マンションだったが、さまざまな理由から二つの管理組合に分離してしまったというマンションに伺ったことがあった。もともとが一つだったため、別々の管理組合になった後も、管理室や集会室、掲示板まで一緒に使用していたが、互いにまったく情報交換ができていないという状況だった。

 同じマンション内でもこうした例があるくらいだから、ただ隣接しているだけのマンション同士ならなおさら、互いの情報を知っているとは考えにくい。それほど、マンションの管理組合同士というのは交流がないものなのである。


自分たちの経験が有益な「情報」となる

 マンションの管理組合同士が交流するメリットはどこにあるかといえば、何よりも「情報」の共有ができることだ。

 インターネットやSNSの普及によって、今はさまざまな情報を簡単に入手することができる時代である。しかし、マンションの管理組合の詳細な情報は、そう簡単にネット上にアップされることはない。防犯やプライバシーなどの観点から、地域や場所の特定につながるような情報を誰の目にも触れる場所へ出すことに抵抗を感じるというのが、理由の一つと思われる。

 詳しくは後述するが、当社では管理組合の理事を対象にした交流会を開催している。毎回多くの方が来場するが、どの会でも決まって「ほかのマンションでは、どんな管理を行っているのか?」「どのような運営をしているのか?」というような質問が多数寄せられるのだ。そのことからも、欲しい情報になかなか行き当たれない実情が見て取れる。

 調べてみれば、行政や地域で結成されている管理組合の連合やネットワークがあったり、ネットやSNSを利用するなどして交流を図っているマンションもわずかながら存在する。しかし、前述のように、世の中のほとんどの管理組合は、管理組合同士の交流もなく、簡単に得られるネット情報にも行き当たれずに、孤軍奮闘している状況といえる。

「マンションの規模や状況は千差万別なのに、管理組合の情報を共有することにどんな意味があるのか?」と思う方もいるかもしれない。たしかに、マンションごとにさまざまな違いはあるが、管理組合としての活動自体にそう大差はない。

 たいていのマンションは管理会社に管理を委託しているし、たとえ自主管理のマンションだったとしても、駐車場やエレベーターの保守、大規模修繕工事などは実施する。また、どんな管理方式のマンションでも通常総会は必ず行う必要があるなど、管理組合の基本的な運営内容は共通することが多いのだ。

 たとえば、これまでに自分たちの管理組合が行ってきた活動の経緯や、マンションの維持・管理の方法、あるいは大規模修繕工事を経験している管理組合なら、管理会社とのやりとりから各業者の選定、工事の実施にいたるまで、それらをどのように進めてきたかというような情報は、ほかのマンションの管理組合にも参考になるものだ。

 特に、大規模修繕工事や管理委託費の見直しなどを実施したことのある管理組合の経験は、後進の管理組合にとっては非常に有益な情報になる。


管理組合同士の交流と継続することの大切さ

 管理組合の情報を発信する方法はいろいろ考えられるが、あまり大規模なことを行う必要はない。たとえば近隣のマンションに声を掛けて、合同で勉強会や見学会などの場を設けるのもひとつの方法だ。ホームページやブログを立ち上げて、自分たちの経験を語るだけでも立派な情報発信になる。

 管理組合同士でネットワーク活動を行っている地域もあり、その多くがホームページなどを開設しているので、検索して参加してみるのもいいだろう。あるいは、行政や地域のマンション管理組合連合会、マンション管理士会などに相談してみるところから始めるなど、自分たちでできる無理のない方法を考えてみていただきたい。

 そして、できれば理事会の中で、理事の仕事の一つとして、管理組合同士のネットワーク担当という役割を設けたい。また、そこに予算をつけることで活動がしやすくなり、輪番制の理事会でも継続してネットワーク活動にあたれるようになるだろう。

 コロナ禍にあってはなかなか積極的にお勧めしにくいことではあるが、管理組合同士の交流を図る手段として、「ネットワーキングパーティー」の場を設けるという方法は非常に有効だ。名称は何でもいいのだが、要するに「飲み会」である。具体的には、たとえば勉強会や見学会などを行った後で、ネットワーキングパーティーを開催するという程度で十分だ。

 コロナ禍前には、先に触れたように私の会社でも年に数回、いろいろなマンションの理事に集まっていただき、セミナーと交流会(飲み会)を実施していた。昼の1時にセミナーを開始して、交流会が終了するのは夜の10時を回っていたなどということも珍しくはなかった。

 セミナーでは、参考になる事例として、テーマに該当するマンションの理事に自分たちの経験を披露していただくのだが、参加者はみな管理組合の理事ばかりなので、それぞれ真剣に話を聞いている。そして、交流会の席では、セミナーで話をしていた理事に質問をしたり、自分たちのマンションが抱えている問題を相談しあったりして、大いに盛り上がりを見せていた。また、その場で気が合った理事同士がその後も交流を続けている、という話も数多く耳にしている。

 こうしたネットワーキングパーティーを行ううえで大切なのは、継続することである。管理組合では1~2年という短い期間で理事が交代していくため、このような集まりを一度だけ行ってもあまり意味はないからだ。長く続けるとマンネリ化してしまうのではないか、と思われるかもしれないが、心配する必要はないだろう。理事はどんどん入れ替わるので、同じことの繰り返しでも、新しく参加する理事にとっては新鮮に感じるものである。


まずは自分のマンション内に充実したコミュニティーを作る

 近隣のマンションと交流を図るには、先に自分のマンション内でコミュニティーを形成することが大切だ。まずは足元から固めるのである。

 これまで数千のマンションに伺った私の結論として、意識の低い管理組合は一様にマンション内にコミュニティーがなく、マンションの管理状況もそれほどよいとは言えない。理事会の活動も通りいっぺんで、管理会社の“お得意様”になっているところは往々にしてこうしたマンションである。

 一方、意識の高い管理組合の大半はしっかりしたコミュニティーが形成されている。そうしたマンションでは、忘年会や新年会、餅つき、お花見、暑気払い、クリスマス会など、季節ごとにイベントを行ったり、総会終了後に懇親会を設ける、消防訓練や防災訓練をお祭り感覚で実施するなど、さまざまな方法で住民同士や理事同士のコミュニケーションを図っているところが多いのだ。

 何も理事でなければ交流ができないというわけではない。たとえば、仲の良い隣近所でゴルフやテニス、映画鑑賞会、音楽会、囲碁・将棋の会、お料理教室、あるいはシルバーの集いなど、どんな内容でもいいので住民同士がコミュニケーションを図るのだ。そうした集まりが、近隣マンションと結びつくきっかけとなることも少なくない。

 ただ、新型コロナの影響で、積極的にコミュニティー形成に取り組んできた管理組合であっても、これまでのような方法は取りにくくなっていることだろう。定例の理事会さえ開催が難しくなっているというマンションもあると思うが、メールやSNSなどを活用して、少なくとも理事同士では意見交換やコミュニケーションを取り続けるように努めていただきたい。

 そして、草むしりや一斉清掃、排水溝・側溝の清掃など、コロナ禍でもあっても、屋外で距離を取りながら安全に行える活動はいくつもある。住民同士のコミュニケーションの機会として、積極的に企画・開催するといいだろう。

 マンションを適切に管理するため、あるいは管理会社と上手に付き合っていくためにも、情報を持っておくことは非常に重要である。ぜひ多くの管理組合でマンション同士のネットワークを築き、「情報交換をするのが当たり前」という文化を形成していっていただきたい。」


 私の住んでいるマンションは団地タイプのマンションで6棟それぞれの管理組合と、団地全体の管理組合の7つの管理組合があります。マンションの分譲時期が違うため、当初はそれぞれ独自に理事会活動をしていたのですが、ある時期の団地理事長が、各マンションの管理費や火災保険、修繕積立金等を一覧表で比較することを始め、その結果、各マンションの管理レベルが均一となり、また管理費等も、節約できるようになりました。管理組合も1棟50戸のマンションよりも、団地で500戸のマンションと考えることで、リプレースされると困ると思っているのか、日頃の管理にも気を付けているようです。

 この記事にもあるように、マンション理事会は横のつながりがない為、自分のマンションの管理費や修繕積立金が高いのか低いのか?また、管理レベルがどのような状況なのかが解っていません。マンション管理セミナーに参加して情報収集することや、他のマンションの管理状況を良く知っているマンション管理士を組合顧問に迎えることで、他のマンションとの比較をおこなってもらう等の対策が有効だと思います。


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