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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

家賃6万円を超えたら、家を買った方がいい理由

更新日:2021年5月14日



 今回は、2020年10月9日のダイヤモンドオンラインの、不動産コンサルタント沖有人さんの表題の記事を紹介します。


「日本のファミリー世帯の持家率は76%に及ぶ。4分の3以上の子どもが持ち家に住んでいるのが実態だ。持ち家を持とうと思ったきっかけも、「子どもや家族のため」が7割を占める。出産したら家を買うというのが、人生ゲームの定番の方程式といえる。


 しかし、住宅市場はアベノミクス以降激変し、物件の選び方も変わっている。エリアごとの買いやすさも違いが大きいので、基礎知識を付けて購入に臨みたいものだ。


持ち家市場の激変、分譲戸建は「買える価格」か

 アベノミクス以降、7年間で分譲マンション価格は5割ほど値上がりした。この価格高騰の波に乗り遅れた場合、共働きの高年収夫婦(パワーカップル)でない限り、購入環境は厳しくなった。

 マンション以外の選択肢は戸建になるが、オーダーメイドの注文は分譲よりも1000万円高くなる(リクルートマイホーム購入者アンケート調べ)。そのため、現在のファミリー世帯のエントリー商品は分譲戸建になっている。この価格はアベノミクス以降、ほぼ横ばいで推移しており、リーズナブルな価格水準に留まっている。

 分譲戸建の全国の平均価格は2700万円になる。これを35年の住宅ローンにすると、月の返済額は6.4万円になる。持ち家以外のファミリー世帯の平均年収は540万円なので、価格は年収のちょうど5倍になる。年収に対する返済額の比率は14%ほどで、無理せず返せる水準にある。

 もし、この返済額と同等の家賃を払っているなら、家を買った方がいいことになる。なぜなら、この支払いを35年続けた結果は、賃貸ならその後も死ぬまで支払いが続くが、持ち家なら返済完了と同時に支払いがなくなるからだ。こうして、賃貸と持ち家では約1.5倍の住居費の差が出る。とにかく、早めに買って定年までに返済を終えてしまった方が、老後の暮らしは明らかに楽になる。


結婚は30歳前後でも持ち家取得は37歳と遅い理由

 とはいえ、結婚早々全員が家を買っているわけではない。全国の平均的な結婚年齢は30歳前後であるが、持ち家取得の平均年齢は37歳となっている。この7年間のブランクは、「家族構成が決まってから間取りを考えて家を買いたい」というのが、第一の理由である。子どもの数に応じて部屋数を決めたいというのは、もっともな理由ではあるが、これによって失う家賃は1年で77万円、5年で384万円になるのでムダだ。

 そのため筆者は、購入をもっと早めた方がいいと考えている。なぜなら、戸建もある条件を満たせば、売却で損をする可能性が低いからだ。

 住宅性能評価書付き住宅のほとんどが75年以上の耐久性を持ち合わせており、その年間価格下落率は1.4%に過ぎない。これは「100%÷75年≒1.4%」という数式と一致する。住宅ローンの返済ペースが年2.7%進む時代に売却を行うと、この差額「(2.7%-1.4%)×居住年数」が戻ってくる計算になる(ちなみに、分譲戸建でも国が定めた等級を取得していない戸建の資産性は保証されていない)。

 家賃で掛け捨てるより、持ち家はこうした面でもお得になる。そうなると、10年ほどで住み替えることもできる。予定外に第三子が生まれたら、それが双子だった場合などの家族構成の変化にも、買い替えという方法で対応することができる。


戸建を買いやすい都道府県はどこか?

 都道府県別に平均販売価格を計算すると、首都圏、近畿圏、愛知県の3大都市圏と北海道、沖縄県がトップ10を占める。3000万円を超える価格水準では、年収倍率は平均で7倍ほどになるが、75%が持ち家を取得しており、それだけ家賃負担も大きいことが踏み切らせる理由になっている。

 要は、家賃並みの返済なら買えるのだ。比較的価格が安く2500万円以下の都道府県は25と、過半数に及ぶ。年収倍率でも4~5倍程度で購入しやすい状況にある。月の支払いも5~6万円で、家賃水準以下になる。中でも宮崎県が最も安く、平均価格は2000万円となる。月支払額は4.8万円、平均年収423万円と低いが、年収倍率は4.8倍に留まり、戸建を買いやすい県になっている。

 年収倍率が最も低いのは、福井県、香川県、徳島県で4.1倍しかない。こうなると、家賃など払っている場合ではないので、ファミリー世帯の持家率は80%ほどにもなる。


「住宅すごろく」は昔の話?シェア伸ばす分譲戸建て

 こうして持ち家のエントリー商品の地位を分譲戸建が確立した。分譲は戸建の3分の1を占めるようになり、毎年0.5%ずつ市場シェアを増やしている。


 以前、「住宅すごろく」という考え方があったが、これは今では様変わりしている。昔は都市圏に出てきて、単身でアパートに住み、結婚して賃貸マンションに住み、マンションを買って、最後に庭付き一戸建、というのがすごろくの「上がり」と思われていた。

 今は、結婚したら分譲戸建がエントリー商品になり、引っ越しができるので、注文戸建を建てて一生住むのもいいだろうし、子どもが巣立ったら、便のいい立地でマンションを買うのもいいだろう。

 いずれにしても大事なのは、「売却可能な持ち家を若くして取得した方が得だ」という人生設計である。このパターンを踏まないと家に悩まされる人生になりかねないので、気をつけてもらいたい。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)」


 かつては、結婚したら新婚の内は社宅や賃貸マンションに住んで、その後子供が小学校に入るころに分譲マンションを購入し、最後は郊外の一戸建てに住むというのが、「住宅すごろく」と言われている一般の人の考え方でした。バブルの頃は、都会では郊外の一戸建てが1億円と言われていたものです。いまは、家賃がもったいないということで、結婚してすぐにパワービルダーの建てる分譲戸建てを買われる人も多くいます。子育てが終わって、ある程度高齢になれば、車がなくても生活の出来る街中のマンションに住み、最後はリゾート地の高齢者専用マンションに住むのが、今の「住宅すごろく」かもしれません。

 パワービルダートップの飯田グループホールディングスの年間供給住宅戸数は4万戸超、国内全体の戸建て分譲戸数の3割を建設しています。この圧倒的なシェアを武器に、建材メーカーや住設メーカーに対して安価で発注し、結果的に若者でも手に入りやすい価格で住宅を供給しています。


 価格ではマンションは戸建て分譲住宅に勝てません。マンションを選ぶ場合は、やはり立地優先で、考えるべきだと思います。


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